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    鉄骨住宅の弱点!気密断熱性能を上げにくい理由とは?【パナソニックホームズ】

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    鉄骨住宅の気密断熱性能

    「鉄骨住宅は気密性、断熱性が低い」なんて、聞いたことありますか?
    今回は、その理由を解説します!

    鉄骨住宅の弱みとも言われる温熱性能
    今回は、建築学科を卒業している知人にその理由などを解説してもらったので、シェアしたいと思います!

    目次

    鉄骨住宅の弱みって何ですか?

    弱みは昨今話題になっている住宅の省エネ化という部分だと思います。
    温熱性能と呼ばれる部分については、ZEHや省エネ等級4という前時代レベルの性能基準をベースにしているので、温熱高性能住宅と比較すると足元にも及ばないというのは事実ですね。

    そもそも”住宅性能”というのは、10分野のモノサシではかるそう

    https://www.hyoukakyoukai.or.jp/seido/shintiku/img/seido_shintiku_img02.png

    その中で言う温熱環境とは、「室内の温度を適切に管理する事」

    よく耳にする”高気密高断熱”もこれに含まれます。

    まずは、断熱性能のお話から

    まずは、断熱性について教えて貰いました!

    基本的に木造住宅やRC住宅に比べると鉄骨住宅は断熱性能を上げるのが大変です。
    鉄は熱伝導率が高いです。それはつまり、外気温の影響を非常に受けやすいってことです。
    外が暑いと鉄もすぐ熱くなるし、寒いと冷たくなる。
    そんな柱が家の中にあるわけですから、柱から奪われる熱の影響は大きくなるわけです。

    でも家って鉄骨住宅だとしても、鉄の柱だけで出来ているわけではないのに・・やはりそんなに影響大きいものなんですね

    家の中の気温を外の気温と違う気温に保とうとすると、どこかのラインでその気温差を埋める防波堤が必要です。
    それが断熱材。
    内断熱・外断熱って聞いたことがあるかもしれませんが、すごく大雑把に言うと家の柱の外側に断熱ラインを持ってくるのか内側に断熱ラインを持ってくるかの違いなんですよ。

    https://ibis-group.jp/wp-content/uploads/2016/07/118.png

    鉄骨を含む熱損失の原因となる部分を熱橋(ヒートブリッジ)というのですが、このヒートブリッジ化を防ぐために鉄のような熱伝導率の高い部材は、断熱材でガードすることが必要です。
    柱の内側というと、壁紙が貼ってある家の内壁になります。
    鉄骨で高断熱にしようとすると、鉄骨から壁紙のある内装壁までの間にそれなりの厚みの断熱材を詰めなければいけない。これはどういうことかというと、部屋が狭くなるということです。
    逆に柱の外側に断熱材を置く外断熱の場合、柱の外側の断熱材の厚みが厚くなります
    柱から外壁までの間が厚くなるってことは、家の外側から見た時に比べて室内がやっぱり狭くなる。

    鉄骨住宅はこの課題が付きまといます。
    やろうと思ったら、技術的には可能です。ただ、その分価格も上がるし実用的ではないということですね。商売的に。

    なるほど!
    鉄骨住宅の断熱性能が高くない、というのは耳にしたことがありました。
    鉄の熱伝導率が高いから、という単純な理解でしたが、教えていただきかなり勉強になりました!!

    ・鉄骨住宅は、木材よりも熱伝導率の高い鉄骨を使っている
    ・鉄骨住宅は室温が外気の影響を受けやすく、その分より沢山の断熱材でのガードが必要
    ・その分壁が厚くなるため面積的に不利

    鉄骨住宅の気密性について

    続いては、気密性について!

    気密性ですね。
    どんなに断熱性能が高くなっても、気密性が低いと外気が入ってきてせっかく温めたり冷やしたりした室内の気温が外気から影響を受けてしまいます
    ハウスメーカーの中でも気密性の高い家が得意なメーカーというと、2×4工法木質パネル工法があります。
    壁のパネルで家を作っているメーカーですね。そもそも仕組みとして隙間が少ないので、気密性を高めた仕様にしやすいんです。

    なるほど。
    全く同じ作り方だとすると、木と鉄で差は出ないのですか?

    ここでも鉄の特性が出てきます。鉄って実は柔らかいんです
    鉄骨造の建物は、地震で揺れるようにつくってあります。揺れることで地震の揺れのエネルギーを逃がします
    靭性と言うんですが、鉄は木よりもこの靭性に優れている材料です。揺れた時に、オーバーな言い方をするとふにゃふにゃとこんにゃくみたいに曲がって、強固に揺れに抵抗するというよりは、揺れの力を逃がしています。
    最近は免振装置とか制振装置で揺れ自体を抑える工夫をしていますけどね。

     鉄がふにゃふにゃ・・?全くイメージと違う💦

    高速道路とかの橋で、走っていてガタガタって言うことありません?あれは、隙間を空けているからです。
    橋の上で渋滞などで止まると、強い風やトラックの走行で結構橋が揺れていることがわかると思います。鉄というとがっちり固めているイメージが強いですが、実は衝撃を逃がすように、揺れるように作ってあるんですよね。

    橋を走っている時にガタガタいう部分をジョイントと言いますが、ジョイントを作らずにガチガチにくっつけて橋を作ると、強風や橋の上を重量級が走ったときにしなって力を逃がすことができず、許容量を超えるとぐにゃっと曲がるし、最悪折れることもあります。

    という訳で、鉄骨の家は地震などが来るととても揺れます。ただ、そういう仕様です。
    一条工務店や三井ホームのようなツーバイ系の家は逆にそんなに揺れません。
    パネルでガチガチに作ってあるから(剛性ってやつです)。
    面で強度を作っているので、実際に同じ地震の揺れに遭った時に、一条工務店や三井ホームの家の方が、鉄骨住宅と比べると体感では全然揺れないはずです。
    どちらの方が良いのかというのは、お互いにメリットデメリットがあるので単純にどちらが良いと決められることではないですけどね。

    鉄骨住宅は、建物全体が揺れるというか歪んで揺れのエネルギーを逃がすので、中に貼っている壁のボードが割れることがあります。最近はその揺れを減らすために制振装置を付けるのが一般的ですが。
    地震でドアが歪んで開かなくなることがあるから、地震が来たらドアを開けて避難経路を確保しろというけど、それともつながる話ですが、揺れる時にどうしてもしなることで隙間ができます。

    https://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/technology/images/01h_fig_02.gif

    気密性を高めるためにガチガチに隙間を埋めた施工をしても、揺れた時に柱と梁がしなることによって、割れたり破れたりすると困ります。
    揺れた時の余力を持たせるために隙間にゴムシールみたいなのを貼って気密性を高める工夫をするのが良いのでしょうが、施工の手間もかかるし材料費もかかるしでコストアップの原因にはなりますね。
    あと、施工者の技量によって差も出やすいだろうし。ハウスメーカーは個人の技量の差によって品質の差が出ない様にってことを至上命題にしているような部分はあるので、その担保が難しいと思うとあまりその部分を推さないってのはあります。
    費用に糸目をつけなければ色々やりようはあるだろうけど・・あくまで商売ですからね。
    利益率を下げてまでやりますか?ってなりますよね。
    まあ、とはいえ時代は省エネ化。今後どういう風に対策をしてくるのかは楽しみではあります。

    鉄骨住宅の気密性に関しては、線路のように鉄が熱くなると膨張する特性からあらかじめすき間を空けるようにしか作れないのかな?とか私レベルでは思ってた

    ・鉄が実は柔らかい
    ・それゆえに地震などにはわざと揺れるように造っている
    ・揺れることですき間が出来やすいため、気密性が高めにくい

    全てが勉強になりました!!

    おわりに

    鉄骨住宅の温熱性能について、お聞きしました!

    鉄の特性上やはり木造住宅に比べると気密性・断熱性は劣るのは仕方ないと思えるような、説得力のある解説。
    非常に勉強になりました!

    鉄骨住宅を選ぶ際にはその他の性能を重視して、という方も多いかもしれません。
    ですが、知っておいて損はないお話。

    参考になると幸いです✨

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